皮膚科医院には、1日100人以上の患者さんが訪れます。
しかし、患者さんひとりひとり考え方、生活環境、想いが違います。その患者さん全員を一緒くたにして考えるのではなく、ひとりひとりの心の言葉に耳を傾けて診療していくことをモットーにしています。
私は、患者さんと向き合ったときに、この人が私の家族だったらどうするか?どうやって病気を治すか?ということをいつも考えています。大げさな言い方に聞こえるかもしれませんが、そう考えて診療を行うことが、ひとりひとりの異なる想いに応える診療につながるのだと思います。
皮膚の病気は、外科疾患とは違いほとんどの場合は死に直結するようなことはありません。だから、患者さんたちが独自に知識を身につけて、思い込みで治療に臨んでいるケースも少なくありません。
例えば、『水虫はかゆい』と勘違いしている患者さんが多いですが、水虫は多くの場合にはかゆみはともないません。またステロイドは体に悪いと拒否反応をしめす方がいます。 しかし、ステロイドもしっかりとガイドラインを守って付き合っていくことで、皮膚疾患を治癒するために必要な方法ですし、過度な使用を避ければ決して体に悪いものではありません。ですから、正しい知識を身につけていただき、納得して診療を受けていただくために、しっかりとインフォームドコンセントを充実させていきたいと思っています。
薬を塗る。とても単純な作業のように思いますが、実は本当の意味で正しく薬を塗れている患者さんは意外に少ないのです。それは、正しい薬の塗り方を患者さんに説明できていない医者側にも問題があるのかもしれません。ですから、患者さんに実際に軟膏を塗り、どれくらいの量をどのように塗ればよいのかを説明し、示していくようにしています。
医療技術の研鑽も大切ですが、しっかりと患者さんとコミュニケーションをとることが病気の治癒につながるのです。 当院は、「しっかりと治る皮膚科」を目指しています。